マンションの大規模修繕工事には大きく分けて2つの方式があります。
その代表的なものは「設計監理方式」「責任施工方式」です。
責任施工方式はさらに「責任施工方式」「管理会社主導方式」に分けられます。「設計監理方式」か「責任施工方式(責任施工方式・管理会社主導方式)」、又はそのどちらかが微妙に変化した契約方式が主になっています。
1. 設計監理方式
設計管理方式は大規模修繕の「調査診断・設計及び工事監理」と、「施工」を別々の専門業者に発注して工事を進めていく方式です。

メリットとしては
1.管理組合の立場に立った第三者による工事監理を行いますから厳正な工事品質のチェックが期待することができます。
2.管理組合の運営の上、大切な合意形成プロセスの透明性が高くなります。
デメリットとしては
1.小規模な工事の場合は割高になる場合もあります。
一般的に設計、監理と工事を別々に発注するので割高になりそうな気がしますが多額の費用がかかる大規模修繕工事の場合は業者の選定等に競争原理をきちんと働かせ適正な価格で発注することができるので逆に安上がりとなる場合も多くあります。
ただし、設計事務所が専門家として監理してくれるとはいえ、その設計事務所の業務内容・範囲や力量はそれぞれ異なります。管理組合が行う監理会社選定の段階では、金額だけではなく「大規模修繕の業務実績」や「管理組合運営に対する習熟度」など比較検討のポイントがあります。技術はもちろん提案力の基本となるコミュニケーション力が大切です。
また、昨今悪質な設計監理コンサルタントへの対策が急がれています。
参考
設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の 相談窓口の周知について
国住マ 第 4 1 号 国土建労第 1021号 平成 29 年1月 27 日
国土交通省住宅局市街地建築課長 国交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課長
平成 30 年5月 11 日 国土交通省 住宅局市街地建築課
マンション大規模修繕工事に関する実態調査
2. 責任施工方式

責任施工方式は施工業者に「調査診断から改修設計、資金計画、実際の工事まで全て」を一任する方式です。
この場合の施工業者は建築士を有し設計や施工、監理部門などを持つ「専門工事会社」「建設会社」「管理会社」などになります。管理組合は、信頼のおける数社や、競争入札で選定した数社の施工業者に調査診断や修繕計画、工事費見積もりなどの提出を求め一社を選定します。
責任施工方式は2つのパターンに分けられます。
A.責任施工方式パターン
大規模修繕工事の準備段階から、建物調査・診断・修繕設計・工事見積もりを提案してもらい、その内容の検討を行った後、管理組合が責任施工でマンションの大規模修繕工事を行う施工会社1社を指名する手法です。設計監理会社と施工会社を分けて契約はいたしません。
施工会社として総合建設業、塗装会社、防水会社などの大規模修繕工事の専門工事会社が挙げられます。責任施工方式の場合、もっとも重要なことは「いかにして信頼性と施工能力が高い施工会社を適正工事価格で選ぶか」ということです。設計監理方式を選んだ場合、比較的小規模の管理組合様にとってコンサルに支払う費用は決して無視できませんのであえて責任施工方式を選択する場合もあります。
B.管理会社主導方式パターン
管理会社のなかには自社に施工監理セクションを持っており施工実績が多い会社もあります。管理組合様にとって日頃のマンション管理から大規模修繕工事まで全てを委ねることで最も容易でわかりやすい進め方です。
管理会社主導方式は管理会社が主体となって劣化診断から改修設計、工事まで進める方式です。管理会社は管理組合様の修繕積立金などの情報を知っていますので管理面から組合運営を優先した大規模修繕工事を提案することもできます。また、一貫した責任を負うリスクを減じるために手厚い工事仕様を組む場合が多くなります。
工事費については、競争相手がいないため割高になる可能性も有ります。管理組合様として「管理会社の大規模修繕の進め方や大規模修繕工事の工事内容、工法の選択、工事費が適正であるかどうか」チェックが必要となります。